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村上団地特集② URの団地が日本語学校になった!理知の杜日本語学校千葉校

更新日:2 時間前

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団地女子会のメンバーで村上団地に行き、多文化交流の取り組みについてお話を伺いました。今回の見学は以下の3つのパートで行いました。

1 村上団地商店街

2 日本語学校(理知の杜)

3 日本語学校の生徒と八千代松陰高等学校の生徒の交流見学


今回の記事では、第2部として日本語学校(理知の杜日本語学校千葉校)についてレポートします。



日本語学校×団地再生
赤の〇が理知の杜日本語学校の場所。(URのHPの地図に筆者がカラーの部分を追記)
赤の〇が理知の杜日本語学校の場所。(URのHPの地図に筆者がカラーの部分を追記)

理知の杜日本語学校千葉校は、村上団地の中央商店街から北側の3街区に位置しています。高齢化して住民が減った2019年ごろ、UR都市機構(以後UR)が団地再生事業として3街区の1~13号棟を解体、14・15号棟を売却することを決定します。高層棟の14・15号棟の2棟は教育、医療、福祉関連事業限定の公募により売却、学校法人理知の杜が購入しました。2024年10月に1~3階が日本語学校、4階以上を学生寮(3-15号棟は全て学生寮)として開校されました。




元々は2DK約50㎡の間取りを中心とした11階建ての賃貸住宅をコンバージョン。住戸と住戸の間は鉄筋コンクリートのため、1住戸サイズの教室、トイレ、職員室、保健室、図書室と展開されていました。寮は2DKの間取りに4名、2名で一部屋の割り振りです。


(写真注釈;南側の和室部分2部屋が1部屋に改修された談話室。入り口はおなじみの団地の玄関なのに、「図書室」「保健室」「男子トイレ」など書いてある。この約50㎡の広さをそれぞれ、男子トイレと女子トイレにしているのでとても広い。)



授業しているお部屋にお邪魔しました。

学校法人理知の杜は、長野県松本市にある松本国際高等学校をはじめとし、愛知、宮城、北海道などに日本語学校や、専門学校など運営する学校法人です。日本語学校千葉校では2025年10月現在、在学する留学生は65名、多い順にネパール、スリランカ、ミャンマーの順です。学校は4月と10月に入学時期を設けています。伺った日は、来日して間もない学生も多くいました。


六丁目団地の公園の藤の花と住棟の写真
(写真注釈;日本語の授業風景。今日のレッスンは「〇〇したことがあります」という文。見学したメンバーからは「想像より授業のレベルが高いね」の声。このクラスは来日して1か月未満の生徒ばかり。皆さんとても積極的に学んでいます。)

授業は午前のクラスと午後のクラスがあり、入学時のレベルによってクラスが決まります。例えば、午前クラスの学生は午後が空いているので、バイトもできます。入学金や寮費で初年度は100万円程度かかります。入学したらアルバイトを見つけて、学費や生活費に使っている学生がほとんどということです。


アルバイト先は近くの回転寿司や工場などが多く、接客業に就いた学生の方が、習った日本語をすぐに実践で活かせるので習得が早いとのことでした。


小宮山香里校長にお話を伺いました。小宮山校長は日本語教師歴なんと20年のベテランとのこと。終始ニコニコされていて、それが学生の心の支えになっているのだと感じました。
小宮山香里校長にお話を伺いました。小宮山校長は日本語教師歴なんと20年のベテランとのこと。終始ニコニコされていて、それが学生の心の支えになっているのだと感じました。


地域との交流

理知の杜日本語学校千葉校は、地域に開かれた学校を目指しています。開校時には地域の方への見学会、2025年2月には学生が作った料理を地域の方にふるまう料理パーティーを開きました。こちらの学生寮には寮母さんがいる食堂というものはなく、食事は各々自分の部屋で自炊します。料理パーティーの際は、「どのくらいの人が来るかな?」とドキドキしながら各自が部屋で作った料理を持ち寄りました。結果、平日の日中の時間帯で、あまり告知をしていないにも関わらず7~80名の方が集まり大盛況だったそうです。


(写真注釈;八千代市のインターナショナルデイに参加した時の写真。写真提供:小宮山校長)


他にも、地域のお祭りには積極的に参加して、学生たちは団地のお祭りのステージで自国の歌や踊りを披露したり、日本の盆踊りに参加したりするなど、交流の機会を増やしています。

村上団地の夏祭りに参加した時の写真(写真提供:小宮山校長)
村上団地の夏祭りに参加した時の写真(写真提供:小宮山校長)
学生のノートには、日本語がびっしり書いてありました。
学生のノートには、日本語がびっしり書いてありました。

一般的に日本語学校は、寮がある学校が多いそうなのですが、こちらの学校のように学校と寮が一緒になっているケースは稀なようです。先生方は日本語を教えることにプラスして、生活面での学生サポートもあり、とても忙しそうです。それでも、学生の希望に満ちた表情から元気をもらっているとのことで、先生方も非常に生き生きとされていたのが印象的でした。

また、都心にある学校や寮と違い、郊外団地のゆったりとした環境のなかで、高齢化し固定化しがちなコミュニティとゆったり混ざり合う、そんな団地のありかたのモデルケースになるのではないかと今回の視察で感じました。


第3部、留学生と日本の高校生との料理交流イベントに続く。


【取材協力】

●学校法人理知の杜 理知の杜日本語学校千葉校



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村上亜希枝(むらかみ・あきえ)/ライター

団地を愛する宅地建物取引士。多摩ニュータウンの不動産会社でお客様に団地を薦めているうちに、自身がすっかり団地好きに。現在は「 団地に住みたい人を、増やしたい!」を軸に、主に昭和期に建てられた団地の活性化に日々取り組む。趣味は団地巡り、山登り、アクセサリー作り。アキヱ企画代表。







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