top of page

「団地を買う」を応援します!特集Vol.7 団地選びのチェックポイント①改修工事編

更新日:16 分前


ree


「団地リノベに興味はあるけど、数ある団地の中でどの団地を選べばいいの?」という質問をいただきます。団地を選ぶ基準の中から、今回は①改修工事について書きたいと思います。


まずは、結論から。


団地を選ぶときは、大規模修繕工事が定期的に行われていて、性能アップ改修(サッシ改修・玄関ドア改修)がされている団地を選ぶことをおススメします。



順を追って説明したいと思います。





バルコニーに面した掃き出し窓がカバー工法により新しいサッシ(ペアガラス)に改修され、室内の居住環境が向上している(東京都町田市鶴川6丁目団地)
バルコニーに面した掃き出し窓がカバー工法により新しいサッシ(ペアガラス)に改修され、室内の居住環境が向上している(東京都町田市鶴川6丁目団地)

CHECK01:大規模修繕工事が適切に行われているか?

大規模修繕工事とは、だいたい12~15年周期で行われる、大規模な修繕工事のことで分譲時のレベルに近づける(戻す)ための工事です。

昭和期に建てられた団地の場合、既に3~4回くらい大規模修繕工事を行っています。


大規模修繕工事は、長期修繕計画をもとに実施されます。管理組合は25~30年の期間の長期修繕計画を立てる義務があり、どの箇所を、いつ、費用の概算も含めて作成します。また、物価の上昇などの市況の変化や建物の状況の変化に合わせて、定期的に見直しを行います。

長期的な計画を立てることで、修繕積立金の不足を防いだり、修繕項目の優先順位を決めたりして建物の適正な維持・管理を行います。


外壁の塗装や、バルコニーや屋上の防水工事などの工事はマストですが、その他にどんな工事をしているかチェックしてみましょう。

チェックするには、販売を依頼されている不動産仲介業者に問い合わせてみましょう。



地震の時のゆがみに強い玄関ドアに改修。1キー2ロック、ディンプルキーで防犯性も向上した。(横浜市すすき野団地)
地震の時のゆがみに強い玄関ドアに改修。1キー2ロック、ディンプルキーで防犯性も向上した。(横浜市すすき野団地)
CHECK02:「性能アップ」改修

性能アップ改修は、例えば、サッシを複層ガラスに改修するサッシ改修、玄関ドアを地震の時の歪みに強いものに改修したり、光回線が使える工事、電気のアンペア数を上げる工事、宅配ボックスの設置、外断熱改修工事など様々です。

(※ここでは、分譲時のレベルに近づける工事の他、現代の新築マンション性能に近づける改修工事を「性能アップ」改修と呼び、通常の大規模修繕工事と区別して説明します。)


もちろん、性能アップ改修はされている箇所が多いに越したことはありませんが、そのなかでも「この性能アッ改修がされていると団地の評価が高い」と判断できるものがあります。

上記の改修工事の中から、どんな改修が行われていると良いのでしょうか?



CHECK03:「サッシ改修」「玄関ドア改修」が団地を選ぶバロメーター

団地の不動産流通を専門にしている私の個人的な意見ですが、これまで団地を見てきた中で「サッシ」または「玄関ドア」改修が行われているかどうか、が団地を判断するバロメーターになると思っています。


理由は2つあります。


1つ目は、性能アップ改修は大規模修繕工事と違い、マストな工事ではないため、区分所有者が反対することも多いのです。その中でも上記の改修は、費用の負担(積立金が減る)に加えて、工事業者が部屋の中に入ってくるため、反対者が多くなりがちな改修です。

上記の改修は、住みやすさの向上や、既存のサッシや玄関の老朽化から、やった方がいい工事ではあるのですが、なかなか実施できていない団地も多いのです。


2つ目は、上記に加えて、サッシや玄関ドアは、改修されているかが外から判断しやすいこと。物件の内覧の前に確認できます。


サッシ改修や玄関ドア改修を行った団地は、そんな問題を解決できた、合意形成(話し合い)ができた団地と判断できると思います。そういった団地は普段から話し合いの土壌ができていて、今後の方向性も考えられていることが多いです。



以上の理由から、団地を選ぶ際はサッシ改修、玄関ドア改修をしているかをチェックしてみてくださいね。




補足情報:サッシは自分でも交換できる?

「サッシやドアは自分で交換してはいけないの?」と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。


サッシ(窓や窓ガラス)、玄関ドアは共用部に当たる部分(実は網戸もそうなんです)で、基本的には管理組合で全戸一斉に交換するものです。

ただし、サッシに関しては、管理組合の規約で、費用の個人負担を原則として区分所有者が改修してもいいと決めているところもあります。




今回は、団地を選ぶポイントのなかから、改修工事に関してお伝えしました。

団地の性能アップは、自分一人ではできません。

ご自分が住まわれる団地がどのような管理運営になっているか、改修工事の観点からチェックしてみることで、長期的な住みよさがしっかり判断できるかと思います。



次回は、団地選びのチェックポイント②コミュニティについて書きたいと思います。

お楽しみに~。




ree

村上亜希枝(むらかみ・あきえ)/ライター

団地を愛する宅地建物取引士。多摩ニュータウンの不動産会社でお客様に団地を薦めているうちに、自身がすっかり団地好きに。現在は「 団地に住みたい人を、増やしたい!」を軸に、主に昭和期に建てられた団地の活性化に日々取り組む。趣味は団地巡り、山登り、アクセサリー作り。アキヱ企画代表。団地女子会メンバー。







ダンチジャーナルBLUE(カナロゴ).png

ダンチジャーナルは団地を愛するみんなでつくるWEBマガジンです。(ABOUT US
ご意見・ご感想や、寄稿・取材のご依頼など、お気軽にお寄せください。

メッセージが送信されました。

©2019-,DANCHI JOURNAL/ダンチジャーナルby団地rooms  プライバシーポリシー

bottom of page